何度忘れようとしても

「日南子ごめんね。新人の子がさ、分からない事がある度に電話してくるの。さっき運転中に着信あって出れなかったから」

「後輩が居ると、大変だね」

「まあね。さて、どこに行く!?お腹空いちゃった」

「私、イタリアンがいい。ビールも飲める感じの」

美智留はじゃあ、と言って大通りに車を走らせた。
最近いつも、地元に帰る度に美智留に迎えにきてもらっていた。改めてそのお礼を言うと全然気にしないでと美智留は笑った。

私は今日、美智留に孝昭の事を相談しようと思っていた。