何度忘れようとしても

申し訳ないなぁと思ったけど、大事な美智留との約束に遅れる訳にもいかないので意を決して、私はドアを開けてみた。

テレビがついているけど、机には誰も居ない。
ふと見ると、窓際の仮眠用のソファで佐伯くんが寝ていた。

どうしよう・・・やっぱ悪いなぁ。

眠りが浅ければいいなあと思いながら、近づく。
目を閉じた佐伯くんのまつ毛は長く揃っていて、肌は白くてモデルのようだった。

マスカラのCMに出れそう・・・

そっと肩に手をかけようとした時、いきなり彼の目が開いた。