何度忘れようとしても

私は仕事のストレスでイライラしてばかりで、孝昭に対して、いっさい優しくできずにいた。
そして私達は段々とケンカばかりするようになっていた。

ある日、デートを終えていつも通り車で送ってもらった帰り道、家の側で車を停め孝昭は言った。

「別れよう。もう無理だ」と。

私は自分の耳を疑った。
今日は楽しくデートをしてたのに。
珍しくケンカもせず仲良くできていたのに。