何度忘れようとしても

その後、営業車で次の取引先へ向かいながら、思わず孝昭の事を考えてしまった。

約束の時間が決まっていない訪問は、気が楽な分、色々と余計な事を考える時間にもなってしまいがちだった。

赤信号での停車中、ハンドルにもたれかかりながら、通り沿いの車のショールームに飾られたツリーを眺めた。

去年のクリスマス、孝昭とちょうどこの辺りの遊園地でデートしたな。

遊園地のツリーは小ぶりだったけれど、電飾が豪華で可愛かったっけ。