何度忘れようとしても

「井川さん、ごちそうさまでした」

売り場の責任者に挨拶を済ませた私に、真梨果ちゃんが深々と頭を下げた。

「いーえ。また飲みにでも行こうね」

「はい。私、今月こそ販売コンテストで1位取りますから。井川さんの為にも」

可愛い事を言ってくれる。

私は思わず彼女の手をとって上下に激しくゆさぶった。

「頑張って!!期待してる」