何度忘れようとしても

「え、去年一緒に過ごした彼は、どうしたんですか？」

可愛らしい声で優しい感じの真梨果ちゃんの質問に、私は密かに胸を痛めた。

「あぁ、孝昭か。元カレね。もう連絡取ってないの」

「そうなんですか。なんかイベント事は必ず一緒に居た気がしてたから」

真梨果ちゃんが残念そうな顔をした。
私は、ほんの少しだけ今日も彼の夢を見ました、まだ忘れられなくてつらいです。と話してしまおうかなと思ったけど、やめた。

その変わり彼女の事に話題をすりかえた。

彼女もクリスマスを一緒に過ごす人は居ないと言う。