何度忘れようとしても

「え、こんなにたくさんいいんですか?ありがとうございます」

「特別ね。真梨果ちゃん頑張ってるから。先月口紅のコンテスト、オフィスで2位だったもんね。いつもありがとう」

こう見えて、彼女は頑張り屋だった。
だいたい販売コンテストではいつも上位で表彰されている実力の持ち主だった。

彼女の売り上げは私の数字にも関係してくる分、感謝もしているし大事に思っていた。

「じゃ、お昼行こっか。何食べたい?今日は私のおごりだよん」

「え、いいんですか?嬉しい」

真梨果ちゃんが嬉しそうに目を輝かせる。