何度忘れようとしても

目的地には13時ちょっと前に着く事ができた。

裏口で入店許可証を受け取り売り場へ急ぐ。

約束の彼女は座ってサンプルの整理をしていた。

「真梨果ちゃん、お疲れ」

私の声に気づき真梨果ちゃんは、パッと顔を上げた。

大きな目、陶器の様な綺麗な肌。
いつ見ても完璧に整っている美人だ。

「お疲れさまです。あれ?なんだか井川さん今日顔むくんでないですか?」