何度忘れようとしても

「真梨果ちゃんとはダメだったの?いい感じに見えたけど」

「あの子さ、メールの返事なかなか来ないんだよな。彼氏いないよね?」

なんだ、ちゃっかり連絡取ってるんじゃないと思いながら私は自分だけ頼んだビールを一口飲んだ。

「居ないよ。12月は忙しいからそれどころじゃないんじゃない?気長に待てば?」

「ふうん」

そう言って、翔太がつまらなそうな顔をした。
高校の時と変わらない表情がなんだかおかしかった。