何度忘れようとしても

「撃沈だよ。つうかさお前今週の夜どっか空いてない?メシでも食い行こーぜ」

意外と翔太もサラッとしていた。
そっか、と内心少しホッとしてしまう自分が居た。

「夜?いいよー。水曜日とか多分、大丈夫だと思う」

「分かった。終わる時間とか連絡くれれば会社迎え行くから」

そうあっさりと用件だけ伝えると翔太は電話を切った。

ものすごく悲しくなりそうだった所で気が紛れたので、私にとってはありがたい電話だった。
それから冷蔵庫が空っぽだった事を思い出して、スーパーに寄って家に帰った。