そんな…
恵は息を飲む。
言乃はキミを見つめる。

「どういうことか説明して頂けますか?」

『ダメさね。私の口から言っていい話じゃない。
じいさんか……いや、やっぱりじいさんがいいと言ったらさ』

キミは一瞬何かいいかけたが、諦めて首を振った。
炯斗と目配せするが、肩をすくめるだけだった。

「場所は?おばあちゃん、場所は何処なの?
やっぱり………ここなの?」

幾度も同じ場をお茶が流れ、すっかりシミとなった畳をさして言う。


祖母は、静かに頷いた。