泣き崩れそうになる羽田を、村長が支える。

「一人で背負わせた我々も悪かった…誰一人として、助けることが出来なかったんだ」

「…違いますよ」

しかし村長は緩やかに首を振った。

「ここは、私たちに任せなさい」

その言葉で、羽田は堰を切ったような涙を止めることは出来なくなった。

そこへ高橋がやってきた。

「羽田さん。こんなところに申し訳ありませんが、時間です」

泣いている羽田は、そのまま大人しく高橋の部下に誘導されて行った。

「さて…」

高橋は炯斗たちに向き直る。

「まず村長さん。あなたを始め、皆さんがしたことは犯罪を助ける、あるまじき行為です。後日、またお話を聞かせていただくことになります」

「慎んでお受け致します」

村長は丁寧に頭を下げた。

「そして君たち――おかげで事件が解決したよ。さらに、忘れられていた事件までも……ご協力ありがとうございました!」

後ろで作業していた部下たちも含め、高橋は敬礼した。

「へへ…カッコいいな高橋さん」

「屋代さん、舘見さんは高山の傷害事件の被害者としてまた話を聞くかもしれない。その時は宜しくね」

二人はしっかりと頷いた。