「そう。まずその一つが消える。同時に事故というのも考えにくい」
「もう一つもなくなります」
恵が少し身を乗り出した。
「だって、克己さんはおじいちゃんに殴られたのに笑ってたんです。これで仲直りが出来るって!それに、洞窟のメッセージを解き明かしてないし」
「それは新しい情報だね」
恵はしまったという顔をした。
高橋はまた手帳に書き込む。
「まあ、他も考えられなくもないけどこれで自殺の線はかなり薄いってわかってもらえたかな?」
「まぁ…」
「となると考えられるのは――」
自殺・事故がないとすれば答えは自ずと上がってくる。
炯斗は苦々しげに眉をひそめた。
「他殺……しかも直前にケンカしてたじいちゃんが一番怪しいってか?」
すると、意外にも高橋は肩をすくめた。
「そこは先輩…朋恵さんの判断だから、僕にはなんとも言えないな」
「そうですか……」
三人はまた黙り込んだ。
「どうにかおじいちゃんを容疑者から外せないかな…」


