三人は顔を見合わせる。
『どういう意味で』
それはただ行けと言われた三人にとって知り及ぶところではないし、その言葉の意味をこちらが問いたいところだ。
“大変なこと”
一体それに如何なる意味があるというのだ?
「……その様子じゃあ、何も聞いてないな?」
「………」
「ならば、私から話すことは何もない」
「おじいちゃん!!」
透に詰め寄る恵。
しかし、透は恵の目を見つめて首を振る。
「それに、私がここから動くこともない!」
「何で!」
「私を連れ戻すつもりなら、諦めなさい」
恵は、その場にへたりと座りこんだ。
落ちた恵とそれを見つめる透。
部外者にとっては居心地の悪い沈黙が流れる。
炯斗は顔をしかめ、言乃を横目で見る。
なぁ、どうしたらいいんだよ
…わかりません
その時だった。
「透さーん!!透さん!どこです!?お昼ができましたよー!」
全てをぶち壊すような茶色い声が響いた。


