「ありがとう」 爽やかな笑みを振り撒いてその男子は立ち去った。 「あーちゃんもか!あーちゃんも‘最近の若者’だったのか!!」 肩をつかんで前後にグラグラと揺する。 「ちょっ、蓮…やめ」 「ちくしょう!私を置いてくな!置いてかないで!置いてかないで下さいまし!」 私だって最近の若者なのに! 「やめろ。」 「はーぃ。すいません」 私の鼓膜に冷ややかな黒々とした声が響いた。 ……私の命を脅かす 唯一逆らえないものだ。