「NO!そんなことは断じてない!誤解だ!!」 夏女くんに右手を突き付けて必死にアピールする。 私はそんな――‥ ――そこで思考回路が途切れた。 目の前の彼が私の右手を掴んで、桜色の唇を薄く開き、私を上目遣いで見つめる。 段々と顔に熱が溜まるのがわかるほど、私の心臓は速くテンポを刻んでいる。 夏女くんの甘い声が低く響いた。 「確かめてみるか?、俺と。」 握られた手に ゆっくりと指が絡まっていく。