入った瞬間、保健室のあの独特な匂いが鼻をついた。


「夏女くーん?」


呼びかけてみても返事はない。

寝てんのかもなー

ベッドのカーテンがひとつだけ閉まっている。

起こすのもアレだしな。


そう思って引き返したとき



「ぶへっ!!」


振り返った瞬間、顔面を何かにぶつけた。