裕乃が席に着き
「トイレ行ってくる」
と言って去った後
「源!ちょっといい?」
教室に入ってきた
悠が話しかけてきて
「悠おはよ!なに?」
「ちょっ話あるから来て」
あたしの腕を掴み
非常階段に連れてかれ
戸惑うあたしの手を離し
「ごめん!いきなり」
悠が謝った
あたしは
「びっくりするよほんと」
笑いながら言って
「何?話って」
と問いかけると
「あのさ、俺バイト辞めようかなって思っててさ」
「はっ!?なんで?」
「裕乃がよく言ってると思うけどバイト先の女がさ俺の事好きだって言ってきて、俺断ったんだけどやたら引っ付いてきてさ困ってんだよ」
「例の南校の女?」
「そうそう、まぢ困ってさ」
「辞めて逃げるってのも有だけど次のバイト決めてからにしなよ」
あたしは冷静に言った
「まぁなーでもこれ以上、裕乃を悲しませるのも嫌だし俺も困るし早く辞めたいんだよ」
悠はしゃがみこんだ
そうとう困ってる
のが解る顔をしてたから
「んじゃあ辞めなよ、裕乃のためにもさ」
「おぅ、ありがとな」
悠がそう言って
立ち上がった瞬間
キーンコーンカーンコーン
と鳴り二人で急いで
教室に帰って行った