あ…
先輩、体育なんだ。

校庭でサッカーをやっている男の子達の中に先輩がいた。

先輩、かっこいいなぁ。
ボールを一生懸命追う先輩はキラキラしててかっこよすぎるんだ。
時々、体育着の袖で汗をぬぐう姿でさえもキラキラしてる。

「…さき」

先輩にボールがまわってきた。
先輩は器用に足でボールを操る。

「さくら…」

先輩サッカー上手だな。
サッカー部のエースだもんね。
「桜咲っ!」

ベシッ

「…っ、いたい」

目の前にはこれまたご立腹された先生が教科書片手に立っていた。

「お前は何度呼べばいいんだ?先輩に見とれすぎだ!」

クスクスとみんな笑う。

「…すみません」

あたしは恥ずかしくなってうつむいた。