先輩とあたしと苺オレと(仮)

「大丈夫だよ、それよりありがとね」

あたしの手のカフェオレを指差して言う。

あっカフェオレ…
奈津子のカフェオレのことも忘れてた。

あたし、どんだけ先輩に夢中になってたんだろうか?

「いーえ」

あたしは奈津子にカフェオレを渡す。

「あっ梨美、苺オレ買えたんだ?」

あたしの手にある苺オレを見て奈津子は少し驚いている。

「え?」

「なんかさっき、苺オレ売り切れたって聞いたからさ」

あたしの後にも苺オレ買いたかった人いたんだ…

もし、あのとき、あたしじゃなくて他の人でも先輩は交換してたよね?

わかってるのに、キュッって苦しくなった。

「買ったって言うより交換したかな?」

「なにそれ?」

奈津子は不思議そうに首をかしげる。

「カフェオレと苺オレを交換してくれたんだよね」

苺オレを見つめた。