「わッ!!!びっくりした!ノックくらいしてよ。着替えてたらどうすんのよ〜。見たらお金とるから!」
と冗談をとばしてみるが真人はいたって真剣だったらしい。
「・・・・・。」
「だ、黙んないでよ。あたしがスベったみたいでしょ・・。」
真人は「はぁ。」と浅くため息をついた後、ポケットからあの髪ゴムを取り出した。
「あ・・それ。」
真人に渡されジッとそれを見つめる。
「悪かったな。それ、お前が幼稚園の時に、初めて友達からもらった誕生日プレゼントだって。母さんに聞いたよ。」
私の視線が真人を見上げる。
「あたしも・・ごめんなさい。なんだかいろいろ理解できなくて、気が動転しちゃってた。」