「ココアで良かった?」


私は差し出されたココアを素直に受け取り「ありがとうございます。」とつぶやくようにお礼を言った。


彼は「ん。」と返事らしくない返事をして私の隣に座る。



少しの沈黙のあと、私から切り出してみる。

「あの・・今日バイトだったんじゃ・・」


すると彼は缶コーヒーをすすりながら

「今日はもう終わったから。」
と素っ気なく返す。


「じゃぁ・・お家に帰る途中だったんですね・・。すみません。」

「なにが。」

「いや・・帰宅を邪魔してしまって・・。」