私が驚きの表情で彼を見れば

彼は切なくなるほど哀しい顔でこちらを見ている・・。


「誰にやられた?」


優しい声色が私の曇った心に染みた。


「大丈夫か?痛いだろう・・。」




至近距離にある彼の表情が、

優しくも哀しい声が、

まるで私の気持ちのすべての身代わりをしてくれてるみたいで、


嬉しくて

嬉しくて

涙が溢れ出した。


『あぁそうか・・。私は泣く場所が欲しかったんだ・・。』



その時やっと、熱く感じていた頬が痛み出した。