私が言葉の出しかたを思い出しかけていた時、後ろから勢いよくドアが開く音と、「アリサ!?どうした!!?」という真人の声。
私はスローモーションのように振り向いたと思ったら、真人にグッと肩を押しのけられ、ドアに背中からぶつかる形になった。
そして滑るように真人は私の部屋に入って行った。
「アリサ?大丈夫か?」
「だ・・大丈夫。びっくりしちゃって。」
真人が私の存在を無視したまま、『アリサ』と呼ばれる女に私のセーターを着せていた。
私は『アリサ』という女の、真人に向けられた「ありがとう」と言う言葉でハッと我に返った。
あらためてジッと見ると小柄な彼女は、いかにも真人が好きなタイプって感じで、清楚な可愛らしい女の子。肩くらいまでの黒髪が美しい。
彼女は私のお気に入りのセーターにスカート・・・
「あ・・・!」
「え?」
キョトンとした彼女の表情。