私は直接職員室に行かず、先に教室へいく事にした。置きっぱなしにしていた教科書を少し持って帰らなければ。
誰もいない廊下を進んだ。
ガラッ。
教室の中には案の定人影はなく、私が出す音だけが聞こえる。
私は教室の一番左後ろにある机に腰をおろした。
いつもの場所。
いつもの高さ。
いつもの景色。
いや、今日は誰もいないからいつもの景色よりもずっと静か。
5分か、10分。
教室と窓の外を見ながらゆっくり目をつむって・・
バタバタバタ!!!
ガタン!!
ガラッ!!!
「・・・あっ!!」
突然の騒音に静寂で包まれていた教室が揺らぐ。
「千尋か・・?何してんの?」
「おはよう・・。」
私の鼓動は彼に聞こえたりしていないだろうか。
私の顔はリンゴみたいな色になっていないだろうか。
私のこの気持ちは彼に届かないのだろうか・・・。
私のすべてを揺らす人。
初恋は継続中・・・。
私の最愛。