「で?俺はいろいろ教えたのに、ちひろは何にも教えてくれない訳だ。」
いきなり呼び捨てされたり
自分で勝手にいろいろ話しておきながら、私が悪者扱いなんてとことん気に入らないけど、気づくと私は私の事を彼に話してしまっている。
本当に気に入らない。
「柊(ヒイラギ)千尋。高校受験を控えた15歳。志望校は南大海高校。趣味は・・読書。」
趣味を言うのに躊躇したのは、彼と同じだとパクり女だと思われるのがイヤだったから。でも他に思いつかなくて素直に白状した。
簡単なプロフィール紹介をしたが彼の反応がなく、下げていた視線をなるべく自然に上げた。
彼は聞いていたのか、いなかったのか、ジッと窓の方をみたまま・・。
いっこうに反応がない事がむずがゆくて、耐えられなくなった。
私はいつからこんなに忍耐力がなくなったのか・・。
「あ・・あの、どぅ『なんで南高校なの?』
「え!?・・・あ!えっと・」
言葉を遮られた上に質問を返されるなんて。