君に恋する本の虫



「あの本は読んだ?」


私は瞬間的に昨日買ったあの小説だと悟った。



「読みました!すごく良かった!本当に!」

思い出すだけでも興奮がふつふつと甦ってくる。それほどあの本はもう私のお気に入りなのだ。



「私いろんな本を読んできたつもりだったんですが、あれは本当に素敵な一冊でした。一気に読んじゃいましたよ。ありがとうございました。」



興奮して声がのトーンが跳ね上がるのが自分でもわかる。


その時ほんの一瞬、ミカエルの口元が微笑んだように見えた・・・。