自分が手にしていたおとぎ話に視線をおとす。
「あ・・これ。はい。なんだか気にいってて。・・好きなんです。」
無意識に頬がゆるむ。
「いろんな本読んでるんですけど、こんなおとぎ話を読むと気持ちがすっきりして。」
「そうなんだ。」
ミカエルは変わらず無表情。
「あの〜」
おずおずと話しかけてみる。
「本屋さんの・・店員さんですよね?」
というより、こんな印象的な人、あの人以外知りませんけど・・
ミカエルは聞かずともわかるだろ。と言わんばかりに手元に持っていた本を興味なさげにパラパラとめくりながら
「そうですよ。」
と簡潔に答えた。
ですよね・・・。