-自宅-


もう時計は夜中の1時を回り、家の中に明かりはない。



私は机のライトをつけたまま、ベッドに寝そべり一冊の本を読みふけっていた。


内容はミステリーと恋愛を混濁した異物。つまり私の趣味ぴったりってやつだ。


これは、例の天国の彼(これからはミカエルとでも呼ぼうか)のオススメ品である。


それは本棚のけして目立つとはいえない隅に、白の背表紙を見せながらそこにあった。


なんども来ているはずの私ですら気がつかなかったなんて・・・