俺の名前は、安藤 和佐。
寺小屋に通っている。
俺は、最近広まっているウワサの事だが、
全くもって信じていない。
…だって、実際に鬼をこの目で見たわけじゃないのに
信じれるハズがないからだ…
まあ、別に鬼が居ようと居まいと
俺には関係の無い事だ…
俺は、友達が少なかった為に
いつも寺小屋からは1人で帰っていた。
今日も1人で寺小屋から帰っていると、
ある青年が木にもたれかかり、
本をみつめているのを見かけた…
「アレって…」
俺は、ふとその青年を見て大声で名前を呼んだ。
「おーい!ヨミ!!」
青年はこちらに気がつくと、本を読むのをやめ、
俺の顔を見てニコッと微笑んだ。
彼は、俺の心から親友と呼べるオトコ、
鬼道 夜深だった…
ヨミは、
背が高く、綺麗な紅い瞳をして
透き通るような白い肌に…
そして、白くてサラサラした長い髪で、
『何故、モテないんだ?』 と、
疑問が持つ程の美形だ。
そんなヨミも俺と同じように、
周囲から少し浮いた存在だった為
俺たちは仲がとても良かった…
「ヨミー!!今からそっち行くから、待っててくれ」
俺は、ヨミに大きな声で言うと
急いで、彼の元へと駆けつけた。