「でも、勉強ってどこで?」




「なんかね、この塾の上の階の方にいくつか空いている教室があるんだって。使ってないときは、塾生は勝手にそこを使っていいらしいよ」




「そうなんだ」




香織は少し迷っているようです。




ここは強引にもっていくべきだ、と優太は思いました。




「いいじゃん。勉強しようよ。俺、香織と勉強したいな」




「うーん」




「ね、ね、ね、今度しようよ。俺ずっと空き教室で待ってるから。香織がくるまで待ってるから」




香織は仕方ないな、という表情に変わりました。




「うん。じゃあ今度一緒に勉強しよう」




「そしたらさ、空いてる日とか連絡したいから、連絡先を教えてよ」




優太は香織から携帯電話番号とメールアドレスを聞き出しました。