そんな二人に那智は気づかずに上田先生に話かけている。


「だからさぁ、みっちゃんはぁ〜…」

「いいのかな?」

「あ?」

「遊佐が徳田を連れて行ったけど?」


廊下に顔を向けてそう言う上田先生


「あ゛ぁー!!早く言えよ、ばばぁっ!」


そう言い那智は二人を追いかけて出ていった。


「私は、ばばぁじゃねぇ!!まだ29だぁー!」


上田先生の叫び声がこだました




「おいてくとかひでぇーし!!俺がかばん持ってってやったんだろ。」


二人に追いついた那智はグチグチ文句を言っている。


「那智がみっちゃんと話してるからだろ。」

「じゃーたこ焼きおごって?」

「じゃーの意味がわかんねぇし‥‥嫌だね。店通り過ぎたし…めんどくさい。」

「私も食べたいです!!」


唯子が那智にそう言ったや否や冬弥がすぐに方向転換した。


「‥‥よし、買いに行こう。」

「うわぁ、扱いちげぇし!」

「当たり前。」

「たこ焼き〜。おいしいですよねぇ!」


笑顔でそう言う唯子を見て、二人は穏やかに笑った。


こんな時間が大好きで

こんな二人が大好きで

そんな大好きな二人に甘えて…答えを出さずにいる自分が大嫌い。