「ホント…?」 「ホント、ホント。ほら、電車乗ろうぜ」 最初は嫌だったのに、今は大翔に手を繋がれるのが嬉しい。 「お前、痴漢に気をつけろよ?」 「えっ!?痴漢!?」 自慢じゃないけど、この18年間、一度も痴漢に遭った事はない。 「大丈夫よ。あたし、狙われないもん」 「そんな保証はないだろ?」 少しムッとして、大翔はあたしを引き寄せる。 「ちゃんと、オレの側にいろよ?」