先生の悲しみから一週間後

母さんの病状は悪化するばかりだ

高貴は未だに笑顔で、僕に真実を話そうとしない

それでも毎日悲しんでいる人は増えていく

先生はげっそりしていてなんだか体調がよろしくないようだった

今にも死にそうな先生

悲しみは今も毎日のように増えている

放課後、先生に呼び出しをくらった

職員室に入ると3、4人しか先生がいなく
西日が職員室に射し込んでいた

「先生」

声で頭を抱えていた先生が僕に向く

悲しそうな目

「あぁ、急に呼び出してすまんな」

かまいませんよっと言う僕は自分で

性格が丸くなったことに気づいた

「こないだ・・・妙な事言ってたよな?泣いているとかなんとか・・・」

「えぇ、それがどうしたのですか?」

「いや、別に深い意味はないんだがな・・・」

それでも僕に聞いてほしかったから呼んだのだろう?

「僕は、心の中で泣いている人が見えるんです。時々・・・なんですけどね。僕にもよくわかんなくて。でもそのひとに理由を聞くと悲しかった塊を僕に話始めるんです。」

そう言い切った瞬間

驚いたような顔で先生は涙を溢れさせた

「すまん。」

一言そう言って涙をぬぐった

「妻が…失踪したんだ」

肩を震わせている先生はいつもの先生じゃなかった

とっても小さく見えて

僕は鮮明に思い起こしていた