『あっそうそう。今日はねお母さんがおはぎ作ってきてくれたの』



彼女だから。


愛する人だから。


そんな理由でじゃ、ない。



『浩也も好きでしょ?お母さんのおはぎ』



コイツだから。


小夏という一人の人間だから。


馬鹿みたいにお人よしで、泣き虫で、甘えん坊でわがままで。



『……だから、食べに来て。私の分まで』



弱いくせに強がる。



『あーあ、ほんと嫌になる。食べたいのになぁ…』



そんなヤツだからこそ。



『浩也……』



狂おしいほどに


愛おしい。



『ごめんね』



まぁ結局のところ、コイツにベタ惚れってこった。