私は精一杯腕を伸ばして、大きく手を振る。

紫音くんは滑り込んできた電車に乗り込み、旅立って行った。


紫音くんの電車が見えなくなると同時に、その場に座り込む私。


「う……ぅ〜……」


信じられないくらいの量の涙が出る。

紫音くんの歌で泣いた時よりも、なんだか胸が痛い。


だけどね、耳をすませば。

紫音くんの歌が聞こえてくるような気がした。