学校で親友の香織に彼氏と別れた旨を伝えた。 「マジ!? あいつウザイねー! 元気だしなよ、凜?」 「うん。」 物凄い勢いで悪態をつく香織。 だけど当の私はもう何とも思っていなかった。 それより、紫音くんの歌……ううん、紫音くんの音が聞きたい。 もう一度浸りたい。 彼の世界に。 「香織?」 元彼の悪口と、私へのフォローを交互に発していた親友の口を遮る。 「なに?」 「私、平気だし。ありがとね。」 香織は、そう?と言って違う話を始めた。