里奈ちゃんが席を外すと、私の思いは彼女への感謝から江崎麻里子への強い敵意へと切り替わった。

「あの、馬鹿女め!」

 ついつい汚い言葉を発した私。

 愛する和也を、この私から引き離そうとするとは無礼千万!

 この手で成敗してくれるわ!

 なーんて言ったら、時代劇の見過ぎだよね?
 
 でも藤瀬和也との恋の状況が、深刻なレベルまでクールダウンしているのだ。

 何もしなかったら、スイッチオフの状態まで落ちてラブラブ関係が断ち切れてしまうのは確実。

 だから私は江崎先輩への怒りが治まらない気分になっているってワケ。