話しでもしたら大変である。

「板倉さんには何も言わないからね」と、江崎先輩は言ってくれていた。

 受付嬢とデートしました。

 なーんて、こんな事が知られたら美咲はきっと、デートの現場まで押しかけて来たに違いないのだ。

 女の修羅場…

 レディースコミックのドロドロとした世界を地で行くダークな世界。

 嗚呼!

 想像しただけでもゾッとする。

 では俺は…美咲と、小出さんのどちらを選ぶべきなのか?

 難しい判断だ。

 俺への愛情を深めている美咲と別れるなんて、正直言って俺には出来ない。

 小出さんは小出さんで、俺を恋人として強く認識しているし…。

 どうすればイイのだろうか?

「男ならビシッと決めろ」

 江崎先輩はこう、厳しい口調で言っていたけどね。