今日の江崎先輩は会社の制服を着た時のキリリと引き締まった姿とは違う。

 茶色系のファション柄コート、白黒系の柄物のシャツ、デニムパンツ…等を揃えたラフな格好だ。

 それでも 結構、オシャレである。

 モデルばりの体型だから、衣類が良く似合っているのだ。

 履物は黒系のブーツである。

 俺はふと、車内の方に目をやった。

 驚いた事に、クルマの助手席に小出さんの姿も有ったからだ。

 俺の方に手を振る小出さん。

「江崎先輩! 小出さんも一緒なんですかーッ!?」

 小出さんは嬉しそうな顔をしながらクルマを下り、俺に抱き着いて来た。

「藤瀬さーん!」

「あ、コラ!」

「ふじせっさーん!」

「オイオイ!」

 俺は小出さんにギュッと抱擁され、慌てふためいた。