美咲だってその中の1人なのである。

 俺たち男には理解し難い女のダークな世界。

 その深い溝を埋めるのは容易な事ではないだろう。

 さーって…

 どっちにすればイイのか?

 すぐには答えが出せない。

 ケータイの着信音が鳴った。

 電話に出てみる。

「こんばんわー♪ みんなの麻里子ちゃんどぅえーっす!」

 元気でハスキーな声。江崎先輩からである。

 デカ尻女め、ガキみたいな口調で言いやがって。

「小出さんの事は、もうちょっと考えさせて下さいよ?」と、先に断りを言っておく。

 江崎先輩が口を開いた。

「慌てる事はない。ジックリと考えたまえ。それよりも藤瀬」

「ハイ?」

「折り入って、頼みがあるんだけどね?」

「まさか、小出さんの事?」