めぐみは宿泊をキャンセルし、ホテルを後にした。

 1人トボトボと歩き始める。

 路地の角で誰かに呼び止められためぐみ。

 振り返ると、そこには榊原里奈の姿が有った。

「榊原秘書さん…」

 無表情のまま、里奈を見つめるめぐみ。

 里奈はめぐみを見つめ、ニヤリと微笑んだ。

「残念でしたわね小出さん。唐沢隼人と言う人と御一緒になれなくて」

 めぐみは里奈を見つめ続け、頭の中で推理した。

「アンタね?」

「はい?」

「アンタが…、隼人に余計な事をベラベラ話したんじゃないの?」

「私が?」

「どんな理由なのかは知らないけど、私の事を隼人にベラベラと話したのね? ったく、頭に来ちゃう」

 唐突に犯人扱いされて、里奈はカチンと来た。