隼人がスマホを取り出して何かチェックを始めた。

「麻里子よ、そろそろ行こうぜ」

「もう時間だよね?」

 失礼しようとする隼人と麻里子。

 めぐみは強い口調で2人を止めようとした。

「待ちなさいよッ! まーだ、話しは終わってないでしょう!?」

 麻里子は立ち止まって振り返った。

「私たちの方はもう、話す事はないんだけど」

「私の方が有るの!」とめぐみは怒りが治まらない。

 今度は隼人が言い返す。

「小出さんも、男漁りもホドホドにしろよな? 御主人や子供さんが心配しているんじゃねーの?」と言って、隼人は手を振り麻里子と一緒に立ち去った。

 めぐみは何のアクションも起せず、茫然と立ち尽くすばかりである。

 その様子を誰かが見ているなんて知る由もない。