距離を置くようになったのが理由だ。

 男性社員たちのアイドル的存在だとか癒し系女子社員って言うのは、もはや過去のモノになったと言えよう。

 美咲の方は躊躇する事無く、以前のように気軽に俺に接して来るようになった。

 江崎先輩から一切、俺との交際について何も言われなくなったからだろう。

「もう、和也の好き勝手にさせないからねぇ」

「な、何だよ!?」

 鼻息荒く、やけに上機嫌の美咲に俺は戦々恐々となっている。

「色んなコにデレデレしたり、小出さんとはラブラブになっちゃった。和也の浮気には、私の方がホトホト参っているのよ」

「それで?」

 美咲は俺に顔を近づけて言う。

「今後一切、浮気はダメ! 絶対にダメ! 分かった!?」

「わ…、分かった…」

 バシーッ!