「分かりました。じゃあ、今から自宅へお送り致しますわ」

 お言葉に甘えて、俺は彼女にクルマで送ってもらう事にした。

 自宅の有るマンション前に着いた時は深夜近くになっていた。

 何だか疲れた気分である。

 昼間は結構、忙しかったし夜は夜で秘書嬢のドライブに付き合ったから疲労が出て来たのかもしれない。

 でも俺は凄く満足していた。

 会長秘書と夢のようなひと時が過ごせたのだから得した気分になれるのだ。

「今夜は私に付き合って頂いて、ありがとうございます」

 ニッコリとした笑顔で礼を言った榊原さん。

「俺みたいな不器用な男で満足出来なくて、ゴメンね」

「そんな事無いですよぉ。藤瀬さんと一緒で、とても嬉しかったですわ」

「そう言われると、俺も嬉しいよね」

「嬉しいと言われると光栄です」