メールでの指示通り、俺はコンビニＫのバス停前で待機し始めた。

　寒いけど、少しの我慢である。

　ほんの５分ぐらいして、１台の赤いクルマが俺の前に停まった。

　助手席の窓が開き、運転席の榊原さんが顔を覗かせた。

「お待たせー！　どうぞ！」と、手招きをした榊原さん。

　さっそく俺は助手席に乗り込み、同じ車中の人となった。

　クルマを走らせる榊原さん。

　スッゲー可愛い女の子と同じクルマの中！

　しかも２人っきりでドライブ！

　上手く行けば彼女と…！

　一瞬だけ俺はそんな邪的な念が脳裏に浮かんだ。

　でも実際にそんな状況になってみると…

「はぁ…」ため息が出た。

「ため息なんか付いて。どうされたんですか？」

「い、いや！　別に！」

「まさか、緊張してる？」