何とかその夢を実現させようと計画したのが、恋の逃避行だったのである。

「私たち、駆け落ちしようと思っているの」

 女性は同じ事務課で働く親友の女性に自分たちの今後の事を打ち明けていた。

 親友の女性は現状を考えて駆け落ちを反対したらしいけど、女性の気持ちは変わらなかったと言う。

 小出さんの今の心境って、恐らくその女性と似たようなものだろう。

 彼女の思いはともかくだ。

 俺の方は果たして、そんな勇気を持てるだろうか?

 地位も捨て、安定している生活さえも捨てる。

 さーって!

 どうかなー?