「実は私、お見合いしたの」

「はぁ? お見合い? 嘘だろう?」

「ホントだよ。この前の土曜日の日にお見合いの席に出たの」

 ガーン!

 お見合いをしたって面と向かって言われて、俺はショックを受けた。

 気持ち的に動揺して来る。

「俺がいながら何で、お見合いなんかしたんだよ?」

「したって言うか、させられたって言ったらイイかもしれない」

「何だよそれ? よーく分かんねー」

「私の両親の方でね、勝手にお見合いの話しが進んでいたの」

 小出さんは両親のお見合い活動についての経緯を聞かせてくれた。

 お見合いはどうやら、父親の会社関係の間で進んでいたらしい。

 その相手が得意先の社長の息子だと言うから、まあ大体は察しが付く。

 娘の為と言うより、どうせ父親や顔を立てる為の話しだったんだろう。