私が言えるのは、せいぜいこのくらいである。

 派閥組織が存在してしまう背景については、君江ちゃんも女だから大方は分かっているハズである。

「ところで話し変わるけど…」

 君江ちゃんは話題を変えた。

 小出さんと和也との交際について、話しを持って行ったのだ。

 小出さんは和也と一緒に先に帰っている事は君江ちゃんも知っていた。

 君江ちゃんと歩く私は、遠くを見るような眼差しで言う。

「きっと今頃は、一緒にゴハン食べたり飲んだりしてるかもね。ひょっとしたら、そのままホテル行って×××やったり○○○やったりしてラブラブな夜を楽しんじゃうかも」

 タハハ…

 私ってば大胆な事を妄想しちゃうんだから。

 苦笑いする君江ちゃん。

 真面目な顔して、私に質問した。

「悔しくないの?」