江崎先輩が疲れたって?

 この私だって疲れているもんね。

 精神的な疲れと心の不安で胃がキリキリ痛んじゃうし。

 今日は結構、忙しかったから余計かな?

 私は重い気分のまま会社を出ようとした。

「いったくーらさん♪」

 玄関の所で背後から誰かが声をかけて来た。

 先に部屋を出て行った君江ちゃんである。

 私と一緒に帰ろうと思って待っていたらしい。

 では彼女と一緒に帰る事にしよう。

「あ、さっきはありがとう。助かった」と先に礼を言っておく。

「どう、いたしまして」

「君江ちゃんもホント、大したもんだよね?」

「何が?」

「リーダー相手に堂々としているし、回りの人たちの雰囲気にも影響しないって言うか…」

「他の人たちは他の人たち。私は私だもんね」